2006年3月27日(月)18時30分から21時
「和歌山大学の将来ー観光学部設置の可能性ー」
講師:和歌山大学学長 小田章様(昭和18年大阪市生)
昭和45年3月神戸大学大学院経営研究科(修士課程)修了
昭和60年4月和歌山大学経済学部教授
平成14年8月和歌山大学学長
平成17年8月国立大学法人和歌山大学学長再任、現在に至る
中学から大学まで硬式野球部に所属し、熱烈なトラフアン
好きな言葉 「努力は必ず報われる」
専攻:ドイツ経営学
参加 31名
「和歌山大学ってあの和歌山高商の伝統を引き継ぎ優秀な人材を輩出している大学ですよね」との世の中での
神通力が徐々に失われつつある時代に、講師は誰よりも先に立って我々の母校和歌山大学の将来について考え
抜き、大きな布石を打ち続けてくれているんだと実感できました。
(講師)

和歌山大学では2007年春の観光学部新設に向けて動いていて、観光学部のカリキュラムもほぼ完成して
文部科学省とも鋭意交渉している。そのような中で外国人教員などの組織面や学部設置場所をより中心市街地
にすることで地域活性化にも貢献しようという様々な特色をより充実するための熟慮の末に2段階ステップで
の観光学部新設を決断されたという。
そのステップとは、2007年春に経済学部に観光学科を新設し、教育学部には文化交流課程を新設する。
先ずは100名ほどの定員でスタートし、2008年春新設の観光学部に合流するとのことです。
観光学部の新設後には、学生定員を1学年150名、教員30名を予定している。
そもそもこの観光学部新設構想は、2005年4月に小田学長が提案され、その後各種検討会や折衝の課程で
2005年の和歌山市で開催された21世紀型観光を展望する国際シンポジウムを契機に大きく前進し、
2006年の年明けには経済学部・システム工学部・教育学部の3学部の意志統一の上に観光学部設置準備室
が動き出している。そして今、和歌山の地元も学内も大変盛り上がっているらしい。
観光学部を有する国立大学法人は和歌山大学が唯一になり、国内の観光関連教育・学術機関40機関の中心的
存在になるとともにハワイ、オーストラリア、カナダ、イギリス、中国など海外の交流協定校との連携を図る
ことでオンリーワンとしての大学の魅力が生まれることとなる。
世界を相手にする人材育成の視点から「おもてなしの心」を学生時代から自然に身につけてもらい、日本の伝
統文化も語り継承できるようにと、昔ながらの日本の心・精神とも言える、茶道・華道・着物・伝統芸能をも
取り入れ実践するというから本当に面白そうだ。
具体的には、
1.文化交流コースで観光文化の探求やコミュニケーション能力の涵養
2.観光経営コースで観光産業の経営や集客交流のマーケティング
3.地域再生コースでまちづくり・地域再生による観光振興
の各コースで人材育成モデルを考えているという。
(観光学部と国際交流掲載)

観光分野は癒し、医療、スポーツ、芸術、音楽、環境、衣食住、温泉、歴史、経済、情報、行政、など多様な
分野との関連が図られることから、観光コミュニケータ・観光エグゼクティブ・観光プロデューサ・観光クリ
エータ・観光プランナーなどの優秀な人材が輩出され世界の中に和歌山大学という知名度を冠たるものにする
だろう。
和歌山県は「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録され、「観光立県宣言」も行い地域振興に努力して
いるが、和歌山の美味しい農産物や鯛なども意外に知名度が低いらしい。和歌山大学に観光学部が新設される
ことによって大学のブランド力とともに和歌山のブランドも一層向上することで、京都・奈良・和歌山という
外国人の観光の流れが定着することは間違いなさそうだ。
多忙な学長が目下力を入れているのが「教員メッセ」である。
これは、来る6月29日(木)に和歌山市内の和歌山ビックホエールのアリーナで実施する和歌山大学の全教
員300名によって行われる、企業や一般向けの研究プレゼンテーションである。意外に知られていない巨大
シンクタンクとしての和歌山大学の先生方と直に交流ができる場として早くも各界に注目されている。
1000人以上の来客が予想されるというので、今から楽しみですが、当日は朝から和歌山に出向こうと思い
ます。全国の柑芦会支部の皆様も是非足を運んでみてはいかがでしょうか。
(教員メッセイメージ写真掲載)

会場では質問が途切れることなく、観光学部新設から新たに生まれる和歌山大学の未来に本当にわくわくし
たひとときでした。また、萩平大阪支部長からは和歌山大学3学部OBの常任幹事会で観光学部設立への快い
応援決議が提案された旨も報告がありました。応援団として皆喜んでおりました。
「つれもていこら」
小田学長のリーダーシップに感銘を受けるとともに必ず実現して欲しいと参加者全員が思いをひとつにすると
ができました。本日はお忙しいところ本当にありがとうございました。
(講義風景)

主な研究業績:「
西独経営経済組織学研究」(単著、S57.千倉書房刊)
「マネジメントの系譜と今日的課題」(単著、H2.日本マンパワー刊)
「
経営学への旅立ち」(編著、H13.八千代出版刊)他、多数
報告者:渡邊 豊 (33期・研究わくわく人生塾塾長)