和歌山の「蜜柑」の香りと、天指して伸びる「芦」のたくましさ、強さに因んで命名された。そしてこれを「かんろ」でなく「こうろ」と読ましている。




会員の成長に役立ち、人生を豊かにする



プロフィール

kourokai

  • Author:kourokai
  • 柑芦会大阪支部ブログへようこそ!



最近の記事



最近のコメント



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カテゴリー



天気予報


-天気予報コム- -FC2-



フリーエリア



ブログ内検索



RSSフィード



リンク

このブログをリンクに追加する



 

   Cooperated by IBS-JAPAN



3月度研究わくわく人生塾
2006年3月17日(金)18時30分から21時

           近江商人の経営

講師:和歌山大学経済学部教授上村雅洋(うえむら まさひろ)先生
   ビジネスマネジメント学科 主担当科目:経営史
1951年12 月30 日大阪市 生まれ
大阪大学大学院経済学研究科博士課程単位取得 学位:博士(経済学)(大阪大学)
所属学会:経営史学会、社会経済史学会、市場史研究会所属
趣味:考古学    
参加者14名


大谷事務長様から「上村教授の近江商人の話は本当に面白く、現在に役立つ内容が満載ですよ」と、中井委員長に
聞かされていたので楽しみにこの日を待っていた甲斐がありました。和歌山大学の先輩がこれだけ素晴らしい研究
をされていることに誇りを感じると共に自信ともなったひと時でした。

講義内容が白熱してくると少し早口に成りますよとの一言から、近江商人の世界に我々を引き込んでくれました。
近江(滋賀県)出身の商人が近江商人とばかり思っていましたが、その定義は誤りで、「近江国に本拠をおく他国
稼商人」を近江商人と定義するそうです。蒲生郡、神崎郡、愛知郡の湖東三郡を中心に分布し八幡商人が最も古く
西川ふとんの西川家や岡田家で有名です。次いで中井家、山中家、高井家で有名な日野商人、塚本家、外村家で有
名な五個荘商人に分類されてるそうです。大手商社の伊藤忠商事や丸紅の前身も近江商人だと言うことです。

近江に本拠地を置くよそ者が他国に根を下ろし稼ぐ(商売をする)ためには、腰を低くし同化する必要があるため
「売り手よし・買い手よし・世間よし」の三方よしと、最近評価される基本姿勢が築かれたいったのです。



近江商人の近世社会における合理的な経営手法、経営上の特性については以下のポイントで教えて頂きました。

(1)共同企業と多店舗化
本来の近江商人の商売は個人企業が一般的であったが、同族や同郷、取引関係のある信頼できる商人を出資者とし
て共同企業を作り、多店舗化や多業種化を図った。当時は無限責任であったので多店舗化した店名は変えて同族で
はない経営体を装おうことでリスク回避を考えた。

(2)意思決定と合議制 
多店舗化による経営拡大により、近江の主人による直接的な管理が限界になったため出先の支店を支配人に委任す
るなど「所有と経営の分離」を行い、主人の能力に左右されずに家業の永続を図るために本家と分家を活用した本
家中心主義を確立し、主人や支配人の独断を防ぐための機能として定期的な会合による意思決定を図っていった。

(3)雇用形態
有能な人物や地縁で奉公人の悪い行動を牽制するために本家に出来るだけ近い村の近江出身者を雇用し、入店後数
年おきに近江への登りを繰り返す在所登り制度により昇進や解雇、淘汰の機会にしていた。約25年くらいで別家
としての独立も可能であったが、信頼のおける人物を雇用しても20年以上勤続したものはわずか5%程度だった
らしい。

本家と分家、支店という形態から様々な仕組みが発達し、チェック機能も働いていたようです。
特に遠隔地故に帳簿組織が発達し、出資金と資本利子の考えとして利益金を本家への配当(上納)、内部留保、店
員配分(インセンティブなど)に処分する三ツ割制度により保険機能も合わせての大きな経営成果を収めた。
特に店則や家訓の制定ではルールに従った店の運営はもとより家産維持の方法、家産の運用、相続、帳合いの法、
奉公人の管理、取扱商品などのルールに則って日常管理業務を行い自由裁量権は認められていなかったという。



講義の後のディスカッションでは、近江商人から長生きする事の大切さ、オーナーに徹することの重要さと2代目、
3代目は別な業をした方がいいよという裏話も教えてもらった。
そもそも、近江商人が発祥し活躍できた背景には、湖東三郡に「少しの豊かさと流動性(出資したり、お金を貸し
てくれる風土)」があったからだという。
参加者からは、近江商人の貴重な歴史的文献資料が本家、分家、支店にしっかりと残されていたことに驚くと共に
その文献をこれだけ系統立てて分析された上村講師の偉業を讃える声が上がっていました。
現在の中小企業やベンチャー企業の商売に大変参考になるとともに、大企業のCSRをも先取りした近江商人の経
営哲学に接することができ充実した研究わくわく人生塾になりました。
皆さん、上村先生が欧米型経営と近江商人の経営比較や現在ビジネスへの提言などを含めたこれからの研究活動を
成功されることを期待しております。
上村先生、本日は本当にありがとうございました。


著書:『近江商人の経営史』清文堂出版  『近世日本海運史の研究』吉川弘文館 他

報告者:塾長 渡邊 豊(33期)


コメント

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
トラックバック URL
http://kourokai.blog3.fc2.com/tb.php/245-af266d6d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)