柑芦会(和歌山大学経済学部同窓会)大阪支部
和歌山の「蜜柑」の香りと、天指して伸びる「芦」のたくましさ、強さに因んで命名された。そしてこれを「かんろ」でなく「こうろ」と読ましている。
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5月度研究わくわく人生塾
2006年5月30日(火)18時30分から21時
変化する市場と消費者の購買意思決定
講師:和歌山大学経済学部助教授 佐々木壮太郎(ささきそうたろう)先生
昭和42年10月仙台市 生まれ
横浜国立大学経営学部経営学科卒業・神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程中退
所属学会:日本商業学会、日本消費者行動研究学会、日本マーケティング・サイエンス学会所属
趣味:音楽鑑賞、美術鑑賞、スポーツ観戦
スポーツ:サイクリング
参加者16名
きわめて日常的でありながら実際にはよくわかっていない、消費者が購買意思決定をするプロセスやブーム、流行
ファッションというマクロの現象を考慮集合というきわめて斬新なミクロの理論でマーケティングと心理学の観点
から理論的・実証的に研究されている内容をシミュレーション画像を通じて分かり易く解説いただいた。
現代の日本市場はすっかり成熟し、「ニーズの多様化」や「ライフサイクルの短期化」といった言葉が頻繁に使わ
れ、市場の変化に振り回されるのは、なにも商品を供給する企業だけでなく、ひとりひとりの消費者の立場からい
っても、戸惑うことが多くなった。市場が変化していく様子を意思決定の理論からとらえ、市場での消費者と企業
のかかわりあいについても自動車市場の事例を踏まえて楽しく学べたひと時でした。
ドラッカーは「マーケティングの理想は、販売を不要にすることである」と述べ、実際にマーケティングも生産志
向から販売志向そして顧客志向と重点が転換している。
近年は消費者ニーズの多様化とライフサイクルの短期化がキーワードとなっている。
自動車市場に目を向けてみると、1954年の第一回東京モーターショーから2005年までの乗用車のサイズと
プロポーションに注目し、ワイドアンドロー(大きくなり平べったく)の流れがある中で国産新車販売でのRV車
の割合が6割にも及び他の車種も2000年を境にまた背が高くなりつつあるという。
それでは一体何が市場を変化させるのだろうかという疑問に、消費者の進歩によってニーズが変化する
「進歩史観」や大企業の宣伝やマスコミ紹介により皆が認める癒しブームなどの「認知的制度化」が紹介された。
続いて佐々木先生にマクロレベルの現象をミクロレベルの理論で分析研究するポイントを教えて頂きました。
(1)考慮集合
意思決定時における選択肢の集まりを考慮集合と呼び、意思決定のスコープとして、決定をガイドするもので、
考慮集合が市場の変化のきっかけとなる。
(2)市場の相互作用モデル
消費者の購買行動はその成果を制約することで、企業間競争を活発化し、企業はマーケティング行動を行うことで
今度は消費者の考慮集合を制約し、消費者間の社会的相互作用がまた購買行動に影響するなど企業と消費者の知識
構造の更新・創発が繰り返される。消費者と企業は相互作用モデルとなっている。
(3)考慮集合の形成
消費者は、候補を絞り選択するという2段階の意思決定プロセスを経るが、そこには3つの制約要因がある。
それは、心理的制約(慣性、サイズなど)と社会的制約(同調、差別化など)と物理的制約(品揃えなど)だ。
ここで、製品と消費者の2つのサブシステムが相互作用する場として市場をとらえ、消費者の選択行動をある特定
のアスペクト(製品の特徴、競争上の訴求次元)や魅力度で考慮集合を形成し、最も魅力度の高い製品を選択する
というシミュレーションを行ってくれた。前回購入の製品を踏襲したり、同じような購入場所で探索したり、皆が
持ちすぎてないかなどの社会的相互作用や3つの制約要因を組み合わせて分析事例を見ることができた。
やはり、市場シェアが3社から4社に固定されると静かな市場になることも実感できた。
講義の後のディスカッションでは、携帯電話やデジタルカメラの普及過程についての議論などが活発になされ、最
近の国内生産による効率化、サプライチェーンマーケティングや商品に対するリコメンデーション機能などにも
及びました。
今回初参加の42期の若い参加者から、企業でマーケティングを知り尽くした先輩参加者までが有意義に意見を交
わしあい、とても良い雰囲気でした。実社会での企業の方々の意見と講師の研究がうまくリンクすることで新しい
何かが生まれるような予感がしました。佐々木先生のこれからの研究活動が、より企業や社会に役立つように成功
されることを期待しております。
佐々木先生、本日は本当にありがとうございました。
報告者:塾長 渡邊 豊(33期)
[2006/06/09 13:40]
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