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1月度研究わくわく人生塾

2007年1月29日(月)18時30分から21時

          日米比較の視点から見る、財政再建と政治過程の変容
          
講師:河音琢郎(かわねたくろう)(和歌山大学経済学部助教授)
   京都大学大学院・経済学博士(京都大学)

参加者17名

 話の主題は、現代アメリカ連邦財政の変貌を分析して、財政政策の根底に流れる思想とその変容
について明らかにすることであったと思いました。話の中での要点について私なりに整理をして、
報告にしたいと思います。



 まず第一に、アメリカの財政を考える要点を挙げるとすると次の2点であったと思います。
        ①常に財政赤字の原因として予算編成における「増分主義」があるということ
        ②共和党保守派の考え方に注目しなければならないということ
 
 現代アメリカの財政は、大別して
   〔第一段階〕1990年代のアメリカ財政赤字の再建過程 と
   〔第二段階〕2000年代のブッシュ政権下の再悪化過程 に分かれます。

①については、1980年代以降に共和党保守派によって声高に叫ばれた「増分主義」批判が、
1990年代の後半には「財政黒字の使途」をめぐる論争に転換し、共和党保守派の主張が減税主
義に傾く中で増分主義的予算政治が復活したこと、さらに第二段階では9.11テロを契機として
「軍事費」を中心に増分主義が台頭してきていると分析されています。
②については、共和党保守派の考え方は、もともと財政規律を重視した「減税・均衡予算・小さな
政府」であったが、民主党との力関係・共和党穏健派との関係により変貌していき、第二段階の
ブッシュ政権では、「減税」オンリーとなり「均衡予算・小さな政府」の考え方を捨ててしまうこ
とになってしまう。
 予算の増分主義は、日本だけと思っていたがさにあらず。多民族・多地域からなる連邦国家アメ
リカとしてはむしろ日本より深刻で、絶えず財政悪化のリスク要因となっている。さらに最近では、
その増分主義を牽制する役目が共和党保守派であるはずが、保守派自身が変貌し増分主義に染まり
つつあるという状況にある、という分析がなされました。

 第二に、今後のアメリカ財政について次の2つの見方を上げておられます。
     ①短期的には、アメリカ財政赤字はさほど大きな問題ではないとする楽観論
     ②中長期的には、財政構造上の不安定要因を指摘する考え方

①の根拠は、第一にベビー・ブーマーが退職するまでは、財政赤字を社会保障年金信託基金がファ
イナンスするから心配ないし、又、第二に現在の低金利環境下ではクラウディングアウトや財政硬
直化がおこりにくい との点で、世論の多数を占めているとのこと。
②の根拠は、第一に社会保障年金信託基金は2019年には収支赤字になる、第二にメディケア、
メディケイド等の医療関連支出の膨張に歯止めがかからない、第三にブッシュ減税がサンセット条
項になっていて2011年度以降が不透明であること。以上から、中長期的には新たな財政規律の
システムが求められているとのことでした。
 第一と第二を総合すると、今後のアメリカ財政を考えるキーワードは、①残存する増分主義的予
算政治 ②共和党保守派の変貌 ③年金・医療支出の増大 となると思います。 

 第三に、財政再建の話の中で指摘された事項で印象に残った点を列記します。
①財政再建は、単なる純粋経済学上の問題としてだけでは解決できず、非経済的要因または政治過
程のあり方を検討することが必要となる。
②「景気拡大が先か、財政再建が先か」について議論はあるが、一般的(経済学的)には前者であ
るが、経済政策としては後者が先になることもある。
③政策には必ずタイムラグが生じるということ。例えばレーガン政権時財政再建と言いながら財政
赤字が進行し、その成果はクリントン時代に表れた。

 第四に、日本の財政再建にあたっての指摘されたことについて述べます。
①日本は、財政再建と言われるが実行されておらず2001年の小泉首相時に着手したに過ぎない
(その点、アメリカはクリントン時代に財政黒字を経験している)。
②日本の財政再建策を評価する際には、共和党保守派の財政改革を研究する必要がある。
③財政の経済環境については、アメリカと比較して次のような特徴がある。
  ・財政悪化の度合いは日本がはるかに深刻である 
  ・日本の国債は国内の貯蓄でファイナンスされているのに対して、アメリカの財政赤字は
40%が海外勢によってファイナンスされており、その大半を占めているのが東アジア
および中東諸国の経常収支黒字である。
  ・日本の金融政策は、財政構造に縛られている。

 日米両国の共通課題となっている財政赤字について、1時間程度でお話をしていただいたのですが、
内容が奥深くしかも多岐にわたるために私としては話の中身を正しく理解し、レポートできたかとい
うと不安であります。経済には多少関心を持っている私でありますが、もっと本質を見極めながら見
なければならないなという思いを強くいたしました。

 (当日配布いただきました、レジュメと冊子「アメリカ財政再建のその後」(講師著)を参考に
レポート致しました。)

報告者:浦 義弘(17期)



講師は、純粋経済だけでは財政再建は語れないと、政治の視点の必要性を強調されました。
財政赤字がマクロ経済に与える影響や非ケインズ効果についても分かり易く講義して頂いた。
日米の比較論だけで考えると、前年実績を基にしての利益分配型の予算化(増分主義)は日本と類似
しているが、日本では1960年からの20年間は低金利故に財政の硬直化は進んでいないと言う。
G7諸国での対GDP比の財政収支比較で日本が一番低いことにはショックをあらためて受けた。
国債の引き受けでも日本がほとんど郵貯や銀行依存など国内で95%を占めるのに、米国では海外
ファイナンスが40%以上も占め、東アジア依存が進んでいる点での違いが大きいと感じた。
これからの日米の比較とともにグローバルな視点での相関関係を理解する上でも、
1.税収(歳入) 2.国防費トレンド 3.義務的経費(年金・医療)
の視点の重要性を教えて頂けた。

この講義のおかげで、5日にアメリカでブッシュ大統領が提出した予算教書の内容がよく理解できた
ことを付け加えさせて頂きます。
受講者からは、国内の地方財政の破綻に関する質問やBRICsの台頭についての意見なども出され
専門外の分野ながらも講師なりの意見を披露して頂き、講師と受講者ともに学生時代のように盛り上
がりました。

若い河音先生のこれからの研究の成果を参加者一同期待して終わりました。
河音先生、お忙しいところ人生塾のために興味深いパソコン資料とレジメをご準備いただき、熱血感
ある講義を本当にありがとうございました。


著書: アメリカの財政再建と予算過程(日本経済評論社)

尚、河音先生のご厚意により著書を柑芦会に贈呈頂きましたので、会館にお立ち寄りの際には是非
ご一読下さい。


文責:塾長 渡邊 豊(33期)

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