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10月研究わくわく人生塾のご報告

2007年10月2日(火)18時30分から21時

          観光地の創造と想像力
             
               -近代期における南紀白浜温泉を事例として-                    
             
          
講師: 神田孝治(かんだこうじ)先生(和歌山大学経済学部観光学科准教授)
       博士(文学)(大阪市立大学)

参加者16名

和歌山大学経済学部観光学科開講記念の研究わくわく人生塾の第二弾が本日行われました。
神田准教授は、観光空間の生産過程と地理的想像力の関係性を、近代日本の事例を中心に研究されて
います。
三重大学から大阪市立大学大学院に進まれ、 鈴鹿国際大学専任講師を経て、この春から和歌山大学
に着任されました。
近代観光地がどうして出来てきたのかを、観光の時間と空間にポイントを置いて説明してくださいま
した。



お話の要旨
  (1)観光地研究の視点
    近代的な観光を、「時間」的側面と「空間」的側面から捉える。
「時間」的側面・・・産業革命による工業化の中で労働時間が決定され、その結果として余暇時間が
          誕生した。この余暇の過ごし方として、集団での観光が社会的に推奨されるよ
          うになった。

「空間」的側面・・・

1)近代都市が発達し、都市との関連において観光地が成立するようになった。
2)資本主義の発達に伴い運輸・通信技術が向上して時間と空間が圧縮され、観光地までのアクセスが
  容易になると同時に、エキゾティックな異国のような人々の欲望が投影された心象地理が形成され
  て観光の動機となっていった。
 3)観光地の特徴として、観光客の日常との「差異」がある。しかしながら、観光地には観光客にとっ
  ての日常性も必要であり、結果としてそこは「半日常」の両義的な空間が形成されることになる。

  (2)観光地の創造と想像力の関係性-南紀白浜温泉を事例としてー

   1)近代的開発前史
  南紀白浜温泉は、古代から牟婁の温湯などとして知られた歴史ある温泉地であり、日本三古湯にも数
  えられている。江戸期には紀州藩の直轄地であったため都市的な文化も流入して栄え、明治中期には
  海上交通の発達に伴い大阪からの旅客も増加し、湯温泉として知られるようになった。
  しかしながら、温泉が自然湧出したのは江戸時代における鉛山村(かなやまむら)だけであり、隣村
  の瀬戸村は地形の関係から温泉が湧出せずに半農半漁の寒村であった。そのため、この両村は温泉の
  権利をめぐって激しく対立しており、明治22年に瀬戸鉛山村となってからもそうした関係は続いてい
  た。

   2)白浜温泉の誕生
  以上の地域内における対立を背景として、大正8年に御坊出身の小竹岩楠が設立した白良浜土地建物会
  社(以下、白浜土地と略す)が旧瀬戸村地域に参入して、近代的リゾート開発を開始した。白浜温泉
  という名称は、瀬戸村地域の景勝地であった白良浜の略称として南海電車が普及させたもので、大正
  12年からは白浜土地も「白浜」を社名に掲げている。その後、昭和4年の白浜への天皇行幸、そして
  昭和8年の駅名「白浜口」の決定を小竹が実現したことで白浜の名前が定着し、昭和15年には湯側の
  村長によって白浜町という町名が決定された。このように、白浜温泉および白浜という地名は、近代的
  開発により新たに創られたものであった。
  白浜は、昭和10年段階で、宿泊約15万人、日帰り約25万人の旅客を集めるほどの人気を集めていた。
  この背景には、白浜の喚起した白さのイメージがあった。当時東洋のマンチェスターと呼ばれていた
  大阪との対比などの背景から、観光客が白さに憧れていたのである。またこの地は近代的な洋風の
  イメージも喚起しており、それは、ドイツ人が開発した青島海水浴場を参考に大正10年に本多静六がつ
  くった土地開発計画や、白浜土地が創設した洋風の諸施設によってもたらされていた。
  このような洋風のイメージは特にアメリカの心象と結びついており、近代的なボーリングにより白浜が
  ニューヨークとつながったというエッセイが記されたり、白浜からアメリカが見えるということでそこ
  が自殺の名所になったりしていた。
 
   3)南紀白浜温泉の成立
  昭和8年に鉄道が到達した頃から、都市と同じような空間を作り出してしまうことや自然破壊をもたらす
  ということで、近代的開発が非難されるようになり、洋風を喚起するようなイメージ創りには限界が生
  じはじめていた。すなわち、観光客にとってのある程度の日常的な利便性が提供されると、今度は都市性
  を喚起するのとは異なる新たな差異化が求められるようになったのである。
  このような状況において、一つは伝統への回帰が生じていた。武田五一主導のもと、白浜の別荘建築は
  洋風建築ではなく、伝統的な和風建築が建設されるようになった。しかしながらこの伝統への回帰よりも
  注目されたのが、健康、女性、豊かさ、といったイメージと結びつけた南国イメージの喚起であった。
  鉄道到達以降、熱帯植物の植樹や熱帯動植物園の設立などの白浜の南国地化が進行し、鉄道会社によって
  南紀楽園などの宣伝がなされるようになった。そのため、昭和10年頃からこの地は南紀白浜温泉と呼ばれ
  るようになった。

私の所感
  (1)神田先生は、地理学が専門で観光学科では唯一の人文科学系の先生だそうです。観光学は学際的です。
     社会科学系の多い和歌山大学にとっては貴重で期待しています。
  (2)座談のなかで観光学科についての話題が提供されました。
       1)本年新入生を80名迎え、女子が約8割である。
        学生は、非常に元気があり、夏休み中も実習を行うなど、大忙しとのことである。
    2)観光経営コースと地域再生コースの2コースがある。来年は「観光学部」となり本年度の新入生は
     「観光学部」の第1期生となる。
    3)観光学部の卒業生は、経済学部の卒業生と同じ柑芦会へ入っていただくよう大学側に要請している旨、
     神原幹事長から紹介がありました。

  (3)ホームページの観光学科の紹介ページに「国際競争力のある日本の観光と地域再生を担う人材の育成」
     とあります。
     国においても、2007年1月から観光立国推進基本法が施行されました。また和歌山は白浜はじめ、
     吉野熊野、高野山など観光資源に恵まれています。
 
     参加者より、事例を持って学問の成果を挙げられるよう熱いエールが送られました。
                                                以上
報告者:浦 義弘(17期)



昭和8年12月に阪和電鉄の白浜口の駅ができ、大阪から白浜が3時間で結ばれた。
昭和10年前後には宿泊15万人、日帰り25万人で賑わった白浜の名称や地域の変化を知ると共に、現在の
「南紀白浜」という名称が定着するまでの逸話をいろいろと教えて頂き、新しい発見のひとときでした。
身体的癒しから、精神的な癒しという温泉の効用に、適当な距離も重要な要素になるなど、何年経っても、人間
の本質や社会の本質はほとんど変わらない事を実感する時間だった気がします。
「温故知新」がこれからの観光を考えるキーワードなのかも知れませんね。

これからの観光で、中国人や海外の観光客への対応などのあり方の質問に対しても講師から所見を頂きました。

白浜に今年も4泊し、その再生過程に非常に関心を持っている会員からは、講義の内容が過去の歴史的分析だった
ので、現状と将来への展望についても講師から伺いたかったという声もありました。
しかしながら、講師の専門とする地理学では、研究とは過去もしくは現在の分析をするものであり、未来予測のよ
うなことをするのは研究者として不誠実であるということからご回答頂けませんでした。
今後大学としても、純粋な研究からプランナー的で利益に結びつくものを求めている流れもあるようで、講師も
いろいろ大変ではと同情させられました。

神田先生、直前まで授業でお忙しいところ人生塾のために興味深い歴史的資料とレジュメをご準備いただき、楽しい
講義を本当にありがとうございました。

著書: 『文化地理学ガイダンス―あたりまえを読み解く三段活用,ナカニシヤ出版, 2006.(共著)



   『「観光のまなざし」の転回』,春風社, 2004.(共著)
   『ツーリズムの文化研究』,京都精華大学創造研究所, 2001.(共著)

文責:塾長 渡邊 豊(33期)

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