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イキイキ人生塾「藪中巌氏・私の人生観、会社観」を聴いて

                                   17期 本多康重
藪中巌氏(大17期)は一部上場企業堺化学工業㈱の現役社長。日頃忙しい日々を送られている。
当日の講演も東京への日帰り出張からの直行だった。
現役らしく濃紺のビジネススーツに黒鞄。実業界に生きる雰囲気を横溢させている。
満席で埋まった会場の聴衆者はリタイア組が多く、スポーツシャツや開襟シャツ。……おのずとと空気が違う。
聴衆者の多くはかつての自分の現役時代を思い出しながら氏を眺めていた。
少しキーの高い良く通る声で氏は自分の人生を語り始めた。……

氏の人生は“不幸”から始まった。
生まれて間もなく父が亡くなり(戦死)、4歳の時に母が他界。祖母に育てられた。
兄や姉も親戚に預けられそこから高校、中学へと通った為3兄弟が顔を合わすことは滅多になかったという。
小学3年生の時、「母の日」に母へ手紙を出すという課題が出た。母のいない少年は「誰に書いたらええんや」と先生に問う。
「育ててくれているおばあちゃんに書けばええんや」と言われ祖母に感謝の手紙を書いた。
それを読んだ祖母や兄、姉は泣いたという。この瞬間、筆者も胸を突かれ思わず下を向いてしまった。

昭和35年。寮生活が出来る熊野高校へ進学。氏に更に大きな“不幸”が襲う。
高校2年の時に腎炎に罹る。足が膨れ靴がはけず、血圧は240。常時耳鳴りがして頭痛が続く。絶対安静の入院。
まる2年の療養生活の後、大学病院で「これ以上良くならない」と宣告を受ける。
(これ以上良くならない…後は死を待つだけか)……氏の絶望は如何ばかりであっただろうか。
天涯孤独に近い境遇。多感な思春期。氏の病の床での「想い」は想像を絶する。
堀辰雄は「風立ちぬ」の中で、胸を病んだ青年が死を意識した繊細で微妙な心理状態をサナトリュムを舞台に見事に描き出している。
人間にとって思春期の心は激しく揺り動くものである。
しかし、氏はここで踏ん張った。(どうせ良くならないのなら、やりたいことをやろう)
腹を決めて開き直ったのだ。医者通いを断ち、好きなことをやり大学進学を目指した。
2年遅れて高校を卒業し、大学受験の為健康診断を受けた。
悪い数値を覚悟していた氏の前に、その逆の正常値の検査結果が出た。
驚いた氏は病院側に「そんなことはない。ちゃんと検査して下さい」と食い下がったという。
もう一度検査しても同じ結果だった。
「何でこうなったのか、未だに不明」と氏は笑う。会場にも笑いが起こった。驚きと安堵の笑いだった。

ここから氏の意識の転換が始まる。
悪くなる時期はどんなにあがいてもだめ、人間なるようになる、と。
「風立ちぬ」の最後の言葉が浮かんでくる。「風立ちぬ。いざ生きめやも」
昭和40年。和歌山大学経済学部に入学。
ここでもこれまでの分を取り戻すべく遊び回り、成績劣等にて卒業(氏のレジメより)麻雀とパチンコに没頭したという。
氏を良く知る学友の一人W氏は「どこか人と違っていた。老成した雰囲気を持っていた」と証言する。
腹を決めた死生観が身を包んでいたのであろうか。

昭和44年。堺化学工業㈱に入社。
若い頃から死を意識してきた氏は生きていることに“勢い”を感じ、「なるようになる」と時流に乗る生き方を始める。
新入社員で直ぐに6Kgも太ったのはお前ぐらいだ、と上司に揶揄される程だった。

ここから氏の“不幸”は充実した“幸せ”に転換していった。
平成20年。同社社長就任
経理畑一筋で来た藪中氏は1500人(連結)の従業員のトップに立つ。 
社長になられてもその語り口、姿勢、考え方は若い頃のそれと微塵の変化もないように思える。
腹を据えて決めたことはやるしかない。なるようになる。と少しのブレもない。……どこかの国の総理大臣に聞かせたいものだ。
途中の食事の雑談の時に質問が飛んだ。「現在の不況下で過剰な“派遣切り“や人員整理が進んでいるが社長はどうお考えでしょうか」 
藪中社長は即座に答えた。
「我が社ではあまりそれはないが、やらなければならない時は真っ先に私が自分の首を切るでしょう。
若い人には未来がある。私は執着心はない。会社は従業員のものです」会場から「お見事!」と声が掛った。

氏の一貫したブレない姿勢は、若い頃からの死生観と共に幼少の頃から育ててくれた祖母の存在があると筆者は観る。
「歳をとっても凛とした美しい人で、私の人生であの人以上に美しい人は見たことがない」と2回も述懐していた。
卑屈にならず堂々と美しく生きる様をこの祖母から学んだのではないだろうか。

逆境に負けず気負うことなく充実した人生を歩む氏を見て、私は氏と同じ大学のキャンパスで同じ青春を共有したことを誇りに思った。
藪中巌氏に乾杯!                  
                                                     (了)

テーマ : 生涯教育
ジャンル : 学校・教育

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