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2012年5月度研究わくわく人生塾「 地方自治体の現状と課題-条例制定権を中心に—」

2012年5月29日(火)18時30分から21時
研究わくわく人生塾

講 師:国立大学法人和歌山大学経済学部市場環境学科教授
    三吉 修(みよし おさむ)先生
    大阪大学法学部法学科卒業・大阪大学大学院法学研究科修士課程(公法学専攻)修了
参加者15名

テーマ:「 地方自治体の現状と課題-条例制定権を中心に—」

何となく、取っつきにくいテーマですが、今回の講義を通して、自分たちの住んでいる市町村でも
条例を制定することで、新しい地域の動きを作ることが可能だというワクワクした気持ちになりま
した。
先生は、筒井信定先生の下で憲法や行政法を中心に研究されてこられました。最近では、地方自治体の
条例制定に関心を持たれており、情報公開、個人情報保護や男女共同参画推進に関する条例などを
素材として教えていただきました。
では、講義の中でのポイントを少しだけご紹介させて頂きます。

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1.日本ではいわゆる近代法は生まれず、明治時代にヨーロッパからの法の継受により多くの法の整備が
  行われた。1889年の大日本国憲法は非欧米で初めての、もちろんアジアで初めての近代憲法です。
   
2.近代国家では市民に出来るだけ自由な経済活動を認め、自由放任こそ国家の取るべき政策だと
  考えられた。近代法は資本主義社会の法であり、個人の自由・平等、契約の自由、所有権の絶対と
  いう原則があった。

3.しかし、次第に不平等、格差拡大が生じ、市民の生存配慮のためには国家が積極的に市民社会に
  介入すべきだと考えられるようになった。介入により近代法の上記原則が修正されることにな
  った。近代法を修正して出来たのが現代法であり、労働法等社会法と呼ばれているものがその
  一例である。ワイマール共和国憲法は、現代憲法の最初のものである。 

4.今の日本国憲法は現代憲法です。国民の生存配慮ガ国家の任務であり、そのため資金助成行政、
  社会保障行政、供給行政という給付行政が大きな特徴です。

5.そのため日本は、社会保障が充実し、格差の非常に少ない社会であり、資本主義国家でありなが
  ら社会主義国家からも羨ましがられるような国家になった。どんな金持ちでも相続税制度によ
  り三代目で普通の人になると言われた。

6.ところが、サッチャーの英国、レーガンの米国から少し遅れて1990年代ごろ日本でもいわゆる新自由主義
  が強く叫ばれるようになった。規制緩和・撤廃、行政改革、地方分権・市町村合併、司法改革が行わ
  れ、自己責任が強調され貧富の格差が拡大してきている。
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7.1995年の地方分権推進法以降、国と地方公共団体が分担すべき役割の明確化、地方公共団体の
  自主性、自立性を高めることが求められる。地方行政の公正確保、透明性向上、住民参加のために、
  地方分権推進委員会が、情報公開、個人情報保護の推進、行政手続きの適正化、監査機能の充実・強化
  を勧告した。

8.1999年の地方分権推進一括法、2000年の地方自治法の改正により、明治時代以来の中央集権型行政
  システムが限界を見せ、自治体の自己責任の原則、官民協働システムが求められ、市町村の5段階化
  (政令指定都市、中核市、特例市、一般市、町村)、広域連合と道州制、破産回避のための市町村合併へと
  向かってきた。

9.このような状況の中に私たちや地方自治体は今置かれている。国が悲鳴を上げて任務を自治体に
  投げ出したのである。

10.行政手続条例は、全ての都道府県・市区町村が制定した。外部のコンサルタント会社に作成を
   依頼した自治体もあったという噂を聞いたことがある。

11.情報公開条例(要綱等)は、ほぼ全ての地方自治体が制定している。

12.個人情報保護条例も、同様である。但し、公的部門、電算処理のみならず民間部門、マニュアル処理をも
   含む個人情報を対象とするいわゆる総合的な個人情報保護条例とは限らない。また、当然のこと
   ながら自治体の条例であるから、各自治体ごとに条例の中身は全て異なっている。
   条文の中のたった一言で、条例制定後も制定以前と全く変わらない運用状況が可能になって続い
   ている自治体がある。何のために条例を制定したのかと思うことがある。住民は、知っているの
   だろうか。

13.男女共同参画推進条例について言えば、和歌山県内の30市町村のどこも制定していない。
   全国の47都道府県の中で唯一の状況にある。

14.条例は国の法律に当たるが、自治体で積極的に制定する動きは和歌山県内では見られない。
   全国的に見ても、地方議会にそういう動きは一部の自治体を除いて乏しいように思われる。
   地方自治体の自主性、自立性が求められる今、法律により条例制定が義務付けられているから制定
   せざるを得ない時だけ制定するのではなく、自治体行政のあり方を考えるべき状況にある。

15.基本的には、長期総合計画に基づき実施プランを作り、それを具体的に実施する根拠法としての条例
   制定をすべきだと思う。議会がもし消極的であれば、職員が作成し、あるいは職員と住民が協働して
   条例を作成することもありだと思う。私もそのような経験がある。これからは、議員と職員、それに
   住民のちからの総和が自治体のちからという事になると思う。
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参加者からは、個人情報保護の県と市などいろいろな条例が存在する事への対応上の疑問が様々な形で出さ
れ、条例に対する市町民の関心のレベルや議員の条例の勉強不足が話題に上がっておりました。
三吉 修先生、お忙しい中、難しい法律のお話をわかりやすく事例でご準備いただき、条例への関心が増す
為になる講義を有り難うございました。

著書・共著:「和歌山県下の自治体における条例制定に関する研究」 (和歌山大学経済研究所、1997年)  
      「新版 基礎憲法」(共著、法律文化社、1999年)
      「和歌山県下の自治体における情報公開条例に関する研究」(和歌山大学経済研究所、2001年)
      「ファンダメンタル地方自治法〔第2版〕(共著、法律文化社、2009年)
      「新版行政法—法治主義具体化法としての--」(共著、有斐閣、2009年)
      「新・資料で考える憲法」(共編著、法律文化社、2012年)




報告・文責:研究わくわく人生塾長 渡邊 豊(33期)

                  以上

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